会長挨拶


第35回日本ヒト細胞学会学術会議会長
種子島医療センター病院長
髙尾 尊身

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第35回日本ヒト細胞学会学術会議を開催するにあたって

_この度,第35回日本ヒト細胞学会学術集会を2017年10月7日(土)・8日(日)に種子島で開催させていただきます。伝統ある本学会を主催することは大変光栄なことでございます。種子島では初めての医学会開催となり、種子島医療センターはもとより鹿児島大学消化器・乳腺甲状腺外科学教室のご協力、さらに西之表市ならびに国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)のご後援を得て、現在、準備を進めているところでございます。
_1999年に愛甲 孝鹿児島大学名誉教授が、第17回の本学会を鹿児島県指宿市で開催されました。当時、私は事務局を担当しており、つい先日のように学会の有様が思い出されます。以来18年ぶりに種子島で日本ヒト細胞学会学術集会を開催させていただく機会をいただきまして、四ノ宮成祥理事長をはじめ理事、評議員、会員の皆様に心より感謝申し上げます。
_今回のテーマは「医療の未来を創る ヒト細胞研究の展開」とさせていただきました。ヒト細胞研究は医学の発展に欠かせない研究手法の一つで様々な角度から研究が行われており、非常に奥深い分野であります。近年はES細胞、iPS細胞などの正常幹細胞を用いた再生医療への臨床応用が脚光を浴びています。今回はその臨床応用への展開を目指す研究の発表や講演が期待されます。
_また、私が専門の消化器癌の分野では、がん幹細胞の研究が進展しています。がん幹細胞の特性として造腫瘍性、抗癌剤耐性さらに転移機構での役割などが解明されつつあります。また、がん幹細胞を標的とした分子標的治療の研究が進行しています。さらに近年ではゲノム研究さらに診断への応用が急速に普及しつつあり、様々な疾患に関連する遺伝子の同定が診療レベルで行えるようになってきました。シンポジウムの「臨床応用を目指すがん細胞研究」として、まさに未来のがん医療を創るヒト細胞研究の発表と議論が期待されます。
_このようにヒト細胞研究は病理学、分子生物学、免疫学、内科系、外科系など多くの先端科学分野に貢献しています。先端医療の未来はヒト細胞研究が支えていると言っても過言ではないと思います。種子島での研究発表と議論から得られる成果が、さらに新しい研究を生み、そして若い世代に受け継がれていくことを強く願って、JAXAの御協力で大空に向かってロケットが打ち上がる瞬間を本学会のポスターに採用いたしました。
_10月の種子島は初秋で過ごしやすい時期です。海に囲まれた豊かな自然の中での記憶に残る学会になることを期待しています。学会で勉強された後に、種子島の焼酎(安納芋原料など)、海の食材(伊勢海老、飛魚など)、陸の食材(黒豚、和牛、安納芋など)を存分に堪能していただければと思います。皆様の多くのご発表とご参加をよろしくお願い申し上げます。